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お珍宝さま

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 あの、ちょっと奇妙な話なんですけれども聞いていただけますでしょうか。
 和恵と真美子は学生時代からの私の親友です。
 社会人になってからも、勤め先は違うもののコンパや旅行など遊びに行く時はいつも一緒というほどの間柄なのです。
 先日、和恵と二人で会う機会があって、しばらくぶりだったので、いろいろと話をしたのですが、その時に妙な事を聞いたのです。
 「ほらあ、先月三人で飲みに行こうって誘った事があったじゃない。あの時は、あんたが用事でだめだっていうから結局、真美子と二人で飲みに行ったんだけど……」
 最近、二人とも彼氏とうまくいっておらず、むしゃくしゃしているらしく、うさばらしに飲みに行こうと誘われたのですが私は別の用事が重なったので断ったのです。
いつもならブレーキ役の私が参加しなかったためか、その日は二人だけでかなり盛り上がってしまったようです。
 「もう、二人で彼氏の悪口いいあって、酒がすすんで、すすんで。気が付いたらボトル二本ぐらい開いちゃってて、でもまだなんだか物足りなくて他所でまた飲みなおそうってことでその店を出たの」
 
 二人はいい気分で足をふらつかせながら大声をあげて繁華街を練り歩いていたようです。
 「そしたらさあ、いつのまにか飲み屋とかなんにもない人っ気のない路地のほうに迷い込んじゃって、そこで見つけちゃったの」
 はじめに気づいたのは和恵だったようです。
 「あれ? あれ、なんか、なつかしー。真美子、あれ知ってる?」
 「ういっぷ…。ん? ええ? あれ? あ、あ、あれ、うわあ、なつかしい……」
 二人の視線の先には路上に立った小さなテントのようなものがありました。
 ちょっと見たところでは街角の占い師のテントを少し大きくしたようなもので、その前には大きな赤いちょうちんがぶらさがっていて何か字が書いてあったそうです。
 テントの前には何本ものろうそくの火がゆらめいていて線香が焚かれていたという話を聞いて私は小さなお寺か地蔵堂のようなものを思い浮かべました。

「お珍宝さまよ」
「お珍宝さま?」突然飛び出した奇妙な言葉にわたしは思わず聞き返してしまいました。
 「そうよ。知らない? 真美子は知ってたんだけどなぁ」
 地方にある民間信仰の一種みたいなものらしいです。
 名前の通りご神体は男性の性器をかたどった張型のようなもので、子宝を授かりたい女の人がそれをなでまわして祈願すると必ず妊娠するといったご利益がある、まあ田舎ならではのかなり土俗的なイメージの信仰のようですが、それだけに生活に根付いた信仰ともいえるでしょうか。
 「夏になるとさ、そのまわりに子どもたちがあつまって地蔵盆みたいなことをやってたわけ、それに行くのが楽しみでさ」
 お珍宝さまのおかげで生まれた子どもたちの恩返しといった意味でもあるのか、子どもが集まる事でさらに何らかの力が加わって願いが、かないやすくなると考えてのことか、和恵の話によると、ともかく重要な年中行事ではあったようです。

 和恵はそのテントを見つけた時の様子を話し続けました。
 和恵は、真美子も「お珍宝さま」を知っていることに少し驚いたそうです。
 「あれ、真美子も知ってんだ」
 「小さいころ夏休みに行った田舎でさあ、おじいちゃんにつれていってもらったんだよね」
 「そうそう、わたしも。うわあ、ねえ、行ってみようよ」
 「うん」
 二人はテントに近づいていきました。
 「そうそう、この珍宝って書いた提灯、いっぱいぶらさがってて、いったい、何が書いてあるんだろうって思ってたなあ」
 「子どものころは何だか怖くてちょっと面白そうな感じで見てたけど、今見るとけっこうエロいよね」
 「ほんとだ、男の人のアレの絵がいっぱい描いてあったりして、うふふ」
 「中、入ってみようか」
 「うん、入ろ、入ろ、おもしろそうじゃん」
 中には誰もおらず、お香の匂いがムンとするほどたちこめていて、二人とも酔っていたせいもあってか頭がクラクラしてしまいます。
 まん前にはご神体であるひときわ大きな「お珍宝さま」が、でーんと鎮座しておられます。
 周りには、ご神体の分身である大小の木製の「お珍宝さま」が、ところせましと並んでいました。
 「あはははは、すげーすげー、ちん○だらけだよ~」
 「こら、真美子、仮にも神様なんだから失礼言っちゃダメよう。あはは」
 「ねえ、おぼえてる? なんか歌、なかったっけ。村の子どもたちが歌ってた、なんだっけ、ほら、お・ちんぽ・さ・まは……」
 「ああ、あった、あった。ええと、そうだ。お・ちんぽ・さまは・おまんが・おすき・たべても・たべても・まだ・ほしい……」
 「あ、それだそれ、お・ちんぽ・さまは、おまん・が・おすき……」
 「でも、この歌ってさぁ」
 「うん、子供のころはお珍宝さまは、お饅頭が好きなんだろうと思ってたけど、今はどう考えたって……の意味だよね。よくこんな歌うたってたな」
 「ほんと。でも、なつかしいわあ」
 「せっかくだから拝んでかえる?お賽銭箱もあるし」
 「つっても、子供なんてまだ欲しいわけじゃないし……でも、私、なんかちょっと変な気分になってきたんだけど」
 「和恵も? えへえ、私もなんだ。こんなにいっぱいのちん○に囲まれて、なんだかどきどきしてきちゃう……」
 「さわっちゃ……おうか」
 「ええい、さわっちゃえ、さわっちゃえ」
 二人はお気に入りの「お珍宝さま」を選ぶと手で愛撫しはじめました。
 酔っていたせいなのか雰囲気に飲まれたのか、木製の張型とはいえ、さわっている内にだんだん気分が高まってきます。
 「シュッ、シュッ、ああ、いい、ケンジのなんかよりこっちのほうがよっぽどいいよう」
 「シコシコシコ……。ああん、さわってるうちに愛しくなってきちゃった。ほおずりしちゃいたい。すりすり」
 女二人が男性器をかたどった木像を相手に興奮している様はおかしなものだったのでしょうが、誰も見る人はいません。
 気が付くと二人ともそれを舌で舐めまわし始めていたそうです。
 舐めれば舐めるほど大好きな人のとても素敵なモノに思えてきてますます盛り上がります。
 「はむ、はむう、ぴちょ、ぴちょ、じゅりゅりゅりゅ…」
 二人の意識の中ではそれは完全に愛する人へのフェラチオになっていました。
 「れろ、れろ、れろ、すぽん。ねええん、マミコぉ、わたしぃ、したくなっちゃったあん」
 トロンとした目で和恵が話しかけると真美子も同じような目をして見返します。
 「わたしもぉ……」
 フェラチオをしている間に、二人の身体は完全に出来上がってしまっていたようです。
 和恵がパンティーの中に手を入れて股間を確認します。
 「ふわあ、こんなに濡れちゃってる。男相手でもこんなに興奮したことなーい」
 「ああン、もう私、たまんない!!」
 真美子はするするとパンティーを脱ぎ捨て、手に持った「お珍宝さま」をいきなり自分の中に挿入しました。
 「あああああー、いい、いいのおおお!!」いきなり大きなよがり声をあげる真美子。
 「ああん、真美子ばっかりずるいー、わたしも……。ぬぽ、はあ、あああん、なにこれええ!!」

 私は口をぽかんと開けて聞き入るばかりです。
 和恵の目がうっとりと遠くを見ています。
 「それがさあ、信じられないほど気持ちいいわけよ……」
 「は、はあ」こんな話をなんの屈託もなくうれしそうにしゃべる和恵に私のほうが恥ずかしくなってしまいました。
 和恵は平気で話を進めていきます。
 「頭ン中真っ白になるくらい感じちゃって……」

 床に座り込んで股を開きひたすら「お珍宝さま」をあそこに出し入れしていた二人でしたが、和恵がテントの隅のほうにあるちょうどいい高さの台があることに気付きました。
 平均台のミニチュアみたいな台で、ちょうど真ん中に「お珍宝さま」を固定できる穴があいています。
 和恵はさっそくその穴に「お珍宝さま」をセットして上からまたがります。
 「あ、ぐう、ぐううう、いい、いいわあ……」
 ゆっくりと腰を上下させると、なんともいえない快感がまた身体を襲ってきたそうです。
 真美子も同じような台を探しあてると、和恵と同じように「お珍宝さま」の上で腰をおとします。
 最初はゆっくりと腰を上下させていた二人ですが、徐々にテンポがあがってきます。
 じゅぽ、じゅぽ、と猥褻な音がテントのなかに響きます。
 「はあ、はあ、はあ……♪お・ちんぽ・さま・は・おまんが・おすき……♪」
 身体を上下させるリズムに合わせて真美子がつぶやくように歌を歌い始めた事に和恵が気付きました。
 きっと無意識のうちに歌いはじめてしまったのだろうと和恵は言うのですが、この歌が不思議な効果を生み出したそうです。
 「あ、あ、ああああ、すごい、すごいのおおおお!!」真美子がいきなり感度が100倍ほども上がったようなよがり声をあげます。
 「すごい、いいよう、和恵も歌ってごらんよ、あうううう」
 「そう?お、お・ちんぽ・さまは…」と歌いだすやいなや、和恵の身体にも驚くべき変化が起きたそうです。
 「きゃあ~なにこれえええ!!! きゃああ・あ・あ・あ・あ!!!!!お、おまんが・おすき……ひええええ!!気持ちいいよう!!」
 二人の動きはさらに激しくなっていきます。気持ちよさで目はうつろ、今どこにいるのかすらよくわからなくなってしまいました。
 「あん、あん、あん、真美子ぉ、わたし、い、いっちゃうよう…」
 「きゃうん、くうん、和恵ぇ、わたし、わたしも~」

 
 「それで、不思議なことにさあ、自分で腰をうごかしてるんだけど、なんだか下からも突き上げられてるような感覚があったんだよね。あとで聞いたら真美子もそうだったって言ってた」
 私はただ、唖然として聞いているだけです。おそらく二人はお酒の酔いとお香の匂いとその場の雰囲気でトランス状態に陥ったのだと思います。
 性的な欲求不満が爆発してしまったのでしょうけど、それにしても街中でオナニーしてイってしまうなんて信じられません。
「それで、二人ともほぼ同時に壮絶にイっちゃったわけよ、そのときのことはもうぼんやりとしか覚えてないんだけど、とにかく気持ちよかったことだけは記憶に残ってる。イった瞬間に『お珍宝さま』の先から熱いものが私のなかに発射されたような感覚まであったんだけど、まあああいう状態だったし私の思い込みかもしれないけど」
 気が付くと朝になっていて二人ともテントの中で寝転がっていたそうです。
 手にはそれぞれの「お珍宝さま」をにぎったまま。
 起きた時には二人は普通の状態にもどっていました。
 二日酔いの頭と体に残った快感の痺れで動かない身体を引きずってやっとの思いで家に帰ったと言います。
 さすがに「お珍宝さま」を持ち帰るという罰当たりなことはしなかったそうですが。

 「でもそれから私の身体に少し異変が起きたというか、身体全体がね、すごく感じやすくなっちゃったのね」
 和恵がなんともいえない表情で楽しそうに話し続けます。
 「オナニーしてもとても気持ちがいいの。乳首の先をクリっとするだけでブルっと震えちゃうほど気持ちよくなっちゃう。それに、あの歌…。」
 頭の中で「お・ちんぽ・さまは…」の歌が始まると、またあの快感が甦ってくると和恵は言います。
 「何度もイけるの、オナニーなのにすごい声まででちゃうほど気持ちいいの、あんなの今までなかった。もう、毎日オナニーばっかりして、自分がどんどんエロくなっていくのがわかるっていうか」
 そう言ってニヤっとわらった和恵の笑顔は女の私が見てもゾクッとくるほど淫蕩で扇情的なのです。
 「もう半分別れかけてた彼氏を誘ってやったわけ。誰でも良かったんだけど自分の身体がセックスしたらどうなるのか確かめたいのと、とにかく男のアレを入れたかったっていうのもあって」
 いやいや応じた彼氏でしたが、彼女の身体に触れたとたん態度が豹変したと言います。
 「私とキスしたら、急に目ギラつかせて私に襲い掛かってきたの。『もえるよ~、たまんねえよー』とか叫びながら、もう最初っから激しいの」
 その後も激しいピストン運動をしながら、気持ちよすぎるー、とか何じゃこりゃーとか叫びまくっていたらしいです。
 「で、頭の中であの歌をね、歌い始めたの。いつもどおりとても気持ちよくなってきたんだけど、不思議なことに頭の中で歌い始めたとたん彼氏もいっそう感じ始めたのよ」
 歌を口にしたわけでもないのに、彼氏が激しく反応を示したらしいのです。
 「ぐわああ、ひいい、気持ちいい、きもちいい、こんなの初めてだ、ぐお、ぐおおおおおお~あ、いく、いく、でるううううう!!!どぴゅぴゅぴゅぴゅ……」
 激しく精液を発射して口からも泡をふきながらイってしまった和恵の彼氏。
 「それから毎日、私ンちに来て、やらせろやらせろってうるさいのよ。私もなぜか断れなくてやっちゃうと、何度も射精して出尽くしてるのにまだしようとするの。もっとしたい、もっとしたいって。最近では『お前を他の男に取られたくない』とかいって会社も辞めちゃってストーカーみたいに1日私に貼り付いてるし。もうげっそりやせちゃってるんだけど、それでも毎日気を失うまで私とシてるの。ほら」
 和恵の指差す先、道を隔てた向こう側から確かにやせこけた男がこちらをうかがっています。
 そんな不思議なことを当然のごとく淡々と話す彼女の口調からは、まったく男に対する愛情は感じられません。
 本人の顔は以前に比べても、つやつやしてとても幸せそうに見えました。

 その日はそのまま別れて帰ったのですが、どうも和恵にかつがれたような気もしてきました。
 忘れてましたけど、和恵の家は三代続いた東京の家系で田舎がなくて寂しいとか言っていたような気がします。
 「お珍宝さま」のあった村というのは、もっと別の親戚のところだったのでしょうか。
 だいたい町の真ん中にそんなものがあったというのもおかしな話だし。

 でも、後日、真美子に会ったとき和恵とまったく同じ話を聞かされたのには驚きました。
 真美子の彼氏もストーカーのように真美子を見張っています。
 真美子は例の歌まで歌ってくれました。
 「お・ちんぽ・さま・は・おまんが・おすき…あはん…たべても・たべても・まだ・ほしい…、あ、く、くぅう…、はあ、はあ、ごめん、やっぱりイっちゃった、ふぅぅ」
 歌を歌うだけで絶頂に達してしまった真美子。
 どうしても私をからかうためだけに口裏をあわせているとは思えませんでした。

 それからしばらく二人とは会えなかったのですが、数ヵ月後便りがとどいたのです。
 和恵と真美子の二人ともからです。
 この二通の手紙が驚くべきことにまったくといっていいほど同じ内容だったのです。
 まず、冒頭に彼氏が死んでしまったとあっさり一言だけ書いてあります。
 新しい彼氏もできたがこれも死ぬか廃人になるのは時間の問題だろうとも書いてあります。

 そして「-もうすぐ子どもが生まれる-」と書いてありました。

 偶然、なのでしょうか。その予定日までもがまったく同じなのです。
 その日付から考えて、きっと死んだ彼氏の子供……なのでしょう。
 でもその事については何の記述もありませんでした。
 ただ文章の最後に約半年後に迫った子どもの出産をとても楽しみにしていると締めくくっているだけです。
 
 二人にどんな子どもが生まれるのか、今、私にはとても興味があります。
 なぜなら、私も、やっと昨日、「お珍宝さま」のテントを見つけることが出来たのですから……。


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