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ストーカー

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午後の講義はいつでもけだるくてねむたい。それでも出席するのは単位が欲しいだけじゃないわけがある。
必死の思いで勉強して一浪のあとやっと入学した大学だが、入学してしまうと、もう目標を失ってしまってダラダラとした毎日の繰り返し。
それでも欠かさずこの講義に出席するのは、あの娘もこの講義をうけているからだ。
一応同じクラスということだが、こんなマンモス大学ではクラスなんてあんまり意味も無い。
香澄佳恵という名前を知ったのは最近のことだ。入学式でひと目見たときから魅了されてしまった。
ミニスカートにブーツがよく似合う、すらっとしたスタイル。アイドルのような愛くるしいクリッとした目と小さくて可愛い口。口元のほくろがエロチックでその童顔とのアンバランスがたまらない。茶色に染めた肩まで伸びた髪は切りそろえてボブっぽくしている。
初めて彼女を見て以来、僕の目は彼女を追い続けている。
気の弱い僕は声をかけるなんてもちろんできないし、つきあうとか深い仲になるなんて想像すら出来ない。
ただ、遠くから見つめてため息をつくだけだ。それでも彼女の出る授業はチェックして出来うる限り僕も出席するようにしている。
その日の講義は幸運にも彼女のすぐ後ろの席に座ることが出来た。
僕はそのささやかな幸せを神様に感謝していた。目の前に彼女がいる、後姿をじっとながめているだけでもう十分幸せだった。
彼女は友達と話をしている。隣に座っている女友達がちらっと僕のほうを見ると彼女にそっと耳打ちする。
いきなり彼女は僕のほうをふりかえった。不意をつかれて僕はどぎまぎする。
「なんなのよ、あんた。私のことジロジロみてんじゃないわよ。あーっ、この顔、見覚えあるわ。
いつも私のことイヤらしい目でみてるでしょ。あー気持ち悪い。ゾクゾクする。
ふん、ヘンな顔してるくせに、やめてよね、わたしに付きまとうの。あんたみたいな変態に思われてると想像しただけでゾっとしちゃうのよ。
あっち行ってよ。今後、私の30m以内に近づかないこと。わかったわね。シッシッ。」
その可愛い口から僕の心を切り刻むような言葉が次々と飛び出した。
「う。あ…。」
気の弱い僕は何もいいかえすことが出来ずにすごすごとその場を立ち去る。
情けない…とは自分でも思うけどどうすることも出来なかったんだ。
その日は打ちひしがれて下宿に帰った。
もう、何をする気力もない。ゲームもオナニーもせず、ただこたつに入って寝ころんでいた。
もう、死にたい。彼女に嫌われた、そして徹底的に傷ついてしまった。僕は、だめだ、男としてダメだ、人間として生きていく意味も価値もないんだ…。
そんなことばかりを考えてもんもんとしているとピンポンと呼び鈴がなった。
「はい。」
何も考えずにドアをあけてしまった。スーツ姿の男が立っている。セールスマンか。
「あ、失礼いたします。あの、私、マインドコントロール社の佐藤と申しますが…。」
「あ、英語の教材ならいりませんけど…。」
「いえ、そうじゃなくて、えーとですね、こちらのパンフレットをご覧になっていただけますか。」
手渡されたパンフレットの表紙には「人の心を操ってみませんか?」という文字が真っ赤な字で大きく印刷されている。
思わず訊ねてしまった。「人の心を操るって…。」
「はい、私どもが独自に開発したシステムでございまして、コンピュータを使用して人の心を自由に操ったり、好きなように動かすことができるということになっております。」
なんだか怪しいけど、人を操るという言葉に引き込まれて説明を聞き続けた。
「それは、どんな人でも操ることができるんですか。」
「いえ、あの、たとえば契約が成立した場合ですね、心を操る相手を指定していただきまして、リサーチさせていただいてから専用のソフトを当社で作成いたします。
操れるのは、その指定していただいた方のみということになります。
それからですね、ソフトのほうはインターネットを使って当社のホームページを利用して動かしますのでコンピュータとインターネットにつながる環境があれば追加の機材をお求めいただく必要はありません。
なお、i-modeにも対応しておりますので携帯電話からもご利用になれます。」
僕はコンピュータでインターネットをやってるので問題はないけど…。
「でも、どうやって人を操るの?その人に何か機械をとりつけたりするわけ?」
「あ、そこらへんは企業秘密でございまして、ちょっとご勘弁いただきたいと…。」
「でもさ、そんなことができるなら、世界のトップクラスの人をコントロールして世界中を思いのままに動かすこともできるじゃない。
こんな貧乏学生に売りつけるよりそうした方がよっぽど儲かると思うんだけど。」
「ええ、まあ、そういう方々は当然、ガードも固うございますし、なによりリスクがともないますので…。私どもは堅実なビジネスとしてシステムの販売をいたしております。」
その内容を細かく聞いていくと僕はだんだんと引き込まれていった。これが本当ならすごいことだ。
「で、いくらぐらいなの?」
「心を操る相手―ターゲットですね。それによっても色々と変わってきますのでお客様のお話をお伺いしてこちらのほうで御見積もりを立てさせていただきますが、
そうですね、ターゲット1名あたりざっと3000万から4000万円ぐらいと思っていただければ。
あ、ローンの方も用意させていただいておりますのでお気軽にご利用くださいませ。」
僕は絶句してしまった。マンションが買える位の値段じゃないか。
「そ、そんなに、高いの…。とてもじゃないけど、僕じゃ無理だ。」
「はい、かりそめにも、一人の人間の心を操るわけでございますから、その準備、運用だけでも膨大な手間がかかりますしシステムの開発にも相当な額を投資しております。
これでもお安いほうだと存じますが…いえいえ、今すぐでなくても結構でございます。
また、何かの折に思い出したときにでも、ご連絡いただければまたまいりますのでよろしくお願いいたします。」
そのセールスマンはパンフレットと名刺を置いて帰っていった。
何かのイタズラだったのだろうか。そうとは思えなかったが。
どっちにしても僕には関係のない話だ。3000万円だなんて…。
それに僕はそれどころじゃないんだ…。

奇跡が起きた。
何の気なしに買った宝くじで1億円が当たってしまったんだ。
迷わずマインドコントロール社に電話をしたのは言うまでもない。
ターゲットはもちろん、僕を徹底的にうちのめした香澄佳恵だ。
僕は彼女の名前以外ほとんど何も知らなかったのだが、マインドコントロール社は調査のための組織をもっているらしく、詳しく彼女のことをしらべたあと見積書をもってきた。
「ええ、香澄佳恵様、こちらの方はとくに社会的に重要な地位にあるというわけでもありませんので、そこらへんのオプションは発生いたしませんね。
ご両親のほうもごく普通のサラリーマン家庭ということですしランクとしてはさほど高いものとはなりません。
ただ若い女性の場合は割増料金が発生する場合があります…、えーっとちょっとお待ちくださいね。
彼女の場合はA-5クラスとなりますので、全体のお見積もりとしては税抜きで2900万円ということになりますねぇ。
こちらの書類の方をご確認ください。」
僕は、すぐにその場で契約した。安いじゃないか2900万円なんて。ただみたいなもんだ。
僕の胸の中で黒い炎が燃え上がる。復讐の始まりだ。

ソフトが完成したと連絡があったのは3週間後のことだった。
連絡があった次の日に分厚いマニュアルをもってインストラクターが僕の下宿に来た。
システムの扱い方を指導してくれるのだそうだ。
「かなり複雑なシステムとなっておりますので少しずつ勉強していきましょう。
まず、ブラウザーを立ち上げてマインドコントロール社のホームページを開きます。
次回からはすぐ呼び出せるよう、お気に入りに登録しておきますね。」
インストラクターはてきぱきと作業をすすめる。
「このページの中の、『契約者様専用』のボタンをクリックしていただくとIDとパスワードを入力する画面が出ますのでお渡しするIDとパスワードを入力して送信ボタンを押してください。」
言われたとおりに操作すると、マインドコントロールシステム画面があらわれて僕の名前とターゲットの名前が表示される。
「このページも、いくつかの作業画面に分割されています。とりあえずお試しになれるのは、こちらのウインドウですね。このボタンを押すと、ターゲットの思考がテキスト化されてこのテキストボックスにリアルタイムで表示されます。」
彼女が今何を考えているかがわかるというわけか。さっそくボタンを押してみる。
チャットの画面のようにつぎつぎと文章が現れてくる。
『あーあ、暇だわ。なにかおもしろいことないかしら。』
『タケシさそってドライブでもいきたいわね。でもタケシもいいかげんウザくなってきたしな…』
『おなかすいたー。でも食べに行くのめんどくさいしー…』
とりとめもない思考が次々と流れていく。
「ふーん、おもしろいね。」
「こちらのボックスに入力すると、思考にその言葉を割り込ませることが出来ます。」
何故か突然、いままで考えていたこととまったく関係ないことが頭に浮かぶことがある。
そんな感じで彼女の思考の中に介入できるというのだ。
僕の名前を入力して送信してみる。テキストボックスにすぐに反応が出る。
『川野渉って、…えーっとだれだっけ、たしかにいま思いついた名前なんだけど。ま、いっか。』
僕は名前すら覚えてもらってないのか…。悔しさがよみがえる。
『2ヶ月前ぐらいの講義で怒鳴りつけてやった男子学生。』といれてみた。
すると…。
『そういえば、2ヶ月ぐらい前に私にまとわりつくヘンな男がいたっけ。やだ、なんで思い出しちゃったんだろ。なんだかふにゃふにゃして気持ち悪いヤツだったよなー。
30m.以内に近寄るなっていったら、あれ以来姿を見せないからまあ、いいけどさ。
ああいうのに限って、しつこかったりするから気をつけなくちゃ。私のこと何処かで盗撮してたりしてさ。
美しいってのも罪ね、なんちゃって。ああ、やだやだ。あんなヤツのことなんてどうでもいいじゃん。
そんなことよりまたスキーいきたいなあ。こんど亮子さそっていこう。そうだ、そうしよう。』
クソー。許せない。絶対に僕と同じ苦しみを味あわせてやる。みてろよ。
「ねえ、どうやったら、彼女の心を操れるの。早く教えてよ。」
「まあ、そう急がないで、順番に行きましょう。最初はまず無意識のコントロールからお教えしますので。」
無意識のコントロールとは、意志とは関係無しに体が勝手に動いてしまうとか、知らない間にヘンな行動をとってしまうとかそういう操り方だ。
「このシステムの効果を知るためにいちばん分かりやすいと思いますので、とりあえず彼女にさせたいことをこのボックスに入力してみていただけますか。」
本当に彼女をコントロールできるかどうか小手調べだ。僕は考えに考えて命令を入力した。
次の日に結果が出る。僕はその夜眠れなかった。

次の日の講義。連休前と言うこともあって出席する学生も少ない。広い講義室も人がまばらだ。
僕が座っていると佳恵が一人で講義室に入ってきた。いつもの通りミニスカートにブーツ姿だ。
今日はストッキングをはく気がしないように無意識コントロールしてある。
つかつかと僕の横に来るとスッと座る。僕のことは目に入らない。
彼女は一人で座っていると思い込んでいる。システムはうまく動いているようだ。
僕の横に座った彼女はごく自然にぺろっとミニスカートをめくりあげる。
その白い脚とパンティが丸見えになっている。彼女は自分のしたことにまったく気づいていないようだ。
回りの席には誰もいない。僕だけが彼女のあられもないすがたを見ているのだ。
スッと伸びた脚は真っ白で肉付きもよく、派手なパンティとブーツが卑猥さを引き立てる。
講義が始まっても彼女は平然と授業をきいてノートをとっている。その間も脚を組み替えたり、大股開きしたりしてサービスしてくれる。
はじめて間近で見る女子大生の生脚に興奮する。僕だけがこれを見ているという事実がさらに僕を興奮させる。
やがて彼女は左手を僕の股間にのばすと、そっとさすりはじめる。
もちろん彼女は自分のしたことにまったく気づかない。椅子に手をこすりつけているぐらいにしか感じていないのだ。
興奮しきった僕のちん○にとってこの刺激は強烈なものだった。
ああ、気持ちいい。気持ちよすぎる。彼女自身の手で僕の性器がもてあそばれている。
彼女のプルプルした太ももを見ながら僕はズボンの中で果てた。
今までに味わったことのない、何と言う気持ちよさ。ああ、幸せだ。
彼女は何事もなかったように今までどおり、脚を開いたりくねくねさせたりしながら僕の股間をまさぐりつづける。
顔は正面を向いたまま、真面目に授業をきいている。
その横顔もなんともいえずセクシーでたまらない。あっ、その手をちょっと止めて、止めてくれないと…、あ、あ、あ。
止まるどころかどんどん激しくなる手の動きにあがらい切れず僕はその講義中に何回もイってしまい、へとへとになってしまった。
ズボンの中はもうべとべとになって、外から見てもズボンの生地に染み出してきてしまっている。
やっと授業がおわって彼女はでていった。左手が変にべたべたして、どこかで匂ったような香りがするのを不思議に思ったのか首をかしげている。
僕は…。うごけない。気持ちよすぎて体中がしびれてしまって言うことを聞かない。
システムの威力を思い知った。これはすごい。
でも、これくらいのことで僕の気持ちはおさまらない。彼女にはもっともっと苦しんでもらわなくちゃ。
あのシステムを使えば出来る。僕の顔は自然とほころんだ。

それから僕はあっというまにシステムの操作方法をマスターした。彼女に復讐したい一心からだ。
いよいよ復讐の開始だ。どうやって彼女を追い詰めていくか毎日そればかりをかんがえる。
手始めに夢を見させる。僕に陵辱されて何度も昇天してしまう夢を毎日のように見させた。
学校では平然とした顔をしているが、たまに僕と顔をあわすと気まずそうに目をそらして逃げるように行ってしまう。
もちろん、近づいても怒鳴りつけるなどと言うようなことはなくなった。
下宿にかえって彼女の思考を覗いてみる。
『わたし、どうしちゃったんだろう。あんなヤツに抱かれてイっちゃう夢を毎晩みるなんて。
でも、気持ちいいの、今までしたどんなセックスより。
条件反射みたいにあいつの顔見ただけで何かヘンな気分になっちゃうのよ。まずいわ。
でも、あいつのことをこうやって思い出すだけで、はぁん、あん、気持ちいい…。あ、あん、川野くん…。』
その後テキストボックスには意味不明の文字の羅列が続く。
言葉にならない思考に頭が占拠されているとこうなるのだそうだ。
どうやら、オナニーをはじめてしまったらしい。しかも僕をおかずに。
あの気位の高い佳恵が僕をおもいうかべながら自分を慰めている。
なんて気持ちいいんだ。最高の気分で僕もオナニーをする。佳恵の真っ白な脚を思い出しながら。

このまま佳恵を僕の彼女にしてしまうのは簡単なことだ。
でもそれじゃ僕の気がすまない。僕の受けた心の傷は、ものすごく深いのだ。
彼女の僕への思いをどんどん高めながら、一方で決して告白したり思いを誰かに打ち明けたり出来ないようにしてやった。僕と直接話すことさえ怖くてできない。
僕を好きになればなるほど、決して届かない思いにもんもんとする。彼女をそういう目にあわせてやりたかったのだ。
彼女の心をモニターするのが僕の日課になった。
『川野くん…。好き好き好き好き…。こんなに好きなのに振り向いてもくれない。
仕方ないわね。わたしって魅力のない女だし、告白したってどうせ振られるに決まってる。
でも、彼のそばにいたい。いつも川野くんをみつめていたい…。
でも、こうしてる間にも川野くんが彼女をつくったらどうしよう、ああ、嫉妬で気が狂いそう…。
好き、好き…。でも、…。ああん。どうしたらいいの。』
また意味不明の文字が並ぶ。どうしようもなくなってオナニーを始めたようだ。
このままつづけていったら彼女はどんな行動をとるのだろうか。僕は、しばらく様子を見ることにした。

あの活発だった彼女も日に日に元気がなくなっていった。
気力も失せ、友達とのつきあいも少なくなったのかいつも一人でいるようになった。
すこし頬がこけ、目だけがギラギラと光っているように見える。
僕の出る講義にはかならず出席して遠くから僕の顔ばかりを眺めている。
僕が目を向けるとハッと目をそらす。ちょっとでも目が合ったことがうれしいのかちょっと幸せそうな表情になるところが可愛い。
授業以外でも、僕の後をつけることが多くなった。学校にいる間中彼女の視線を感じる。
もちろん他の男なんかには目もくれない、というか僕以外の事柄にはいっさい興味がもてなくなってしまっているみたいだ。
食事に行っても、歩いていても振り返ると彼女がいる。僕が目を向けるとさっと身を隠そうとするがまるわかりだ。
たまたま、女の子と話なんかをすることがあると、ものすごい形相でにらんでいる。
最近はデジカメをもちあるいているようだ。もちろん僕の写真を撮るためだ。
『ああ、彼をみつめればみつめるほど好きで好きでたまらなくなる。告白していっそ振られたほうがどれほど楽だろう…でも、出来ない、打ち明けるなんて…死んでもできない…。
彼の写真、こんなにとっちゃった。後姿も、横顔も、みんなみんな素敵なの、ああたまらない。
盗撮した写真でオナニーするなんて、なんてみじめなんだろう。でも、どうしてもしたくなる、しなくちゃどうしようもなくなるの、だからこうして毎晩…。
ああ、ああん。気持ちいいわ…抱いて…川野くん…。』
ふふふ、苦しめ、もっと苦しめ。僕はなんともいえない征服感で股間をふくらます。
そして彼女の行動はこの後もどんどんエスカレートしていく。

学校だけでは物足りなくなったのか、僕が街中を歩いているときも彼女はつけまわすようになってきた。
ばれないようにと思ってか白いマスクとサングラスをかけ、帽子を目深にかぶっている。
その格好でデジカメをもってうろうろしていたらかえって目立つような気もするのだが、彼女は真剣なのだ。
おもしろくなって休みの日に町を一日中うろうろしてやった。
映画館に入る。中に入ってしまうとかえって見失うと思ったのか映画が終わるまで外で待ち伏せしている。
パチンコ屋に入る。彼女はパチンコなどしたことがないはずだが、6つ隣の席でわけもわからず打っている。もちろん僕からは目を離さない。
「おねえちゃん、ちゃんとうたないとパンクしちゃうよ。ほら、ああ、もったいない。」
となりのおっさんにもあきれられている。
AVショップにも入ってみる。彼女は、入ってからびっくりしたようだが、それでも何かを物色するようなふりでうろうろしている。
あやしい格好の女がはいってきたので店員も胡乱な目で眺めている。
淫らな姿の女たちの写真がカバーになっているビデオケースをみるうちに何かを思いついたのか、不意に僕の追跡をやめて店の外に出て行った。
その日の夜の彼女の思考モニター。
『そうよ、なんで今まで思いつかなかったのかしら。ふふ、こうやって。これでいいかな。
私の思いがどんな形にせよぶつけることができるわ。ああ、うれしい…。』
その時は何のことだかわからなかった。わかったのは数日後のことだ。
僕の下宿に手紙が来た。差出人の名前はない。中には写真のようなものがぎっしりとつまっている。
佳恵の写真だった。といってもこれはデジカメでとったものを印刷したもののようだ。
下着姿や、おっぱいのおおうつしなどの写真が山のように入っている。顔がうつっている部分はマジックで消してあるが佳恵以外に今こんなことをするやつはいない。
AVほど過激な写真は少ないが、彼女自身がとったということと、顔が消してある分、かえってイヤらしくて興奮する。その場でオナニーしてしまった。
そして、さっそく彼女の心をモニターすると
『川野くん、写真気に入ってくれたかしら、さっき郵便屋さんが持っていったから、もう封はあけているはず。佳恵のことってきっと気づかないだろうけど、ちょっとでも興奮してくれたら、佳恵、うれしい。窓から中の様子はわからないけど、気になるな…。』
え、今、下宿の前で僕のことを見張っているのか。
窓を開けて外を見る。佳恵がさっと電信柱の陰に隠れたのが見えた。
僕はまた、意地悪なことを思いついた。
もらった写真をすべてコンピュータでスキャンして保存すると、元の写真をびりびりにやぶいてビニール袋にこれ見よがしに入れる。
そのまま、それをコンビニのゴミ箱まで捨てに行った。
彼女は僕の後をつけて、その捨てたごみを見るに違いない。絶望にたちつくす彼女を思い浮かべ僕は暗い喜びにひたる。

その後、毎日のように写真は送られてきた。
その内容はどんどん過激さを増してしていく。無論、顔だけはぜったいに塗りつぶしてあるが、素っ裸で大股開きになっていてあそこがモロに見えている写真だとか、僕の顔写真をおっぱいに、なすりつけている写真だとか、もうそれはモノすごくイヤらしい。
僕も見るたびにがまんしきれず手が股間に伸びてしまう。毎晩、夜更けまで自慰にひたる僕。
僕も狂ってきたのだろうか。
そして毎回、写真をびりびりにやぶいて捨てに行く。彼女を追い詰めるだけ追い詰めてやるんだ。

写真を送りつけるだけでは飽き足らず、彼女は無言電話をかけてくるようになった。
ただの無言電話なら迷惑だが、心の中をモニターしながら聞いていると結構おもしろい。
「もしもし」
『あ、でた、川野くんの声だ…。うれしい…。なにか話さなくちゃ…。でも声が出ない…。』
「誰ですか、用がないなら切るよ。」
『川野くんの声ってほんとにセクシー。うっとりするわ。あ、切らないで、えーと、その』
「あ。」と言う声だけが聞こえた。
「え、誰なの。はっきり言って。」
『やん、びっくりした。思わず声が出ちゃったけど、もっと川野くんの声が聞けてよかった。』
「あの、こちらは川野渉です。どちらさまですか、なんでもいいから声をだして。」
『ああ、川野くんの声を聞いてるうちに感じてきちゃった。ああん。』
「ああん。」
「はい?何してるんですか。」
『今、何してるか言うだけで川野くんの声が聞けるんだわ。えーと。』
「あはん、私ね、川野くんの声ききながらねー、おま○こに指を入れてるの。とーっても気持ちいい。」
『うれしい。私、川野くんと話しをしてるのね。面と向かって話すのは怖いけど。こっちが誰だかわからなければ平気だわ。ああん、もっと聞いて、川野くん…。』
無言電話はオナニーの実況中継へと変わった。彼女の可愛い声でオナニーの状況とあえぎ声を聞くことができる。
「あぁくふ、おっぱいを揉みながら、クリちゃんをくりくりしてるの、ああはぁん、最高に気持ちいいのン。」
パソコンの画面で今までもらった写真を映しながら佳恵のオナニー電話を楽しむ。
今まで以上にものすごく興奮する。
「あん、川野くん聞いてる?私ね、とっても気持ちいい…。川野くんに抱きしめられてるって想像するとね、とっても感じるの…。もっと声を聞かせて…。」
「んー、今、おま○こはどうなってるのかなー。」
「ああ川野くんの声とっても感じちゃう…。んふ、ちょっとまってね、ああ、もうぐちょぐちょなの、ねえ、ほら聞いて。」
くちゅくちゅという音が聞こえる。どうも、おま○こを指で弄っている音を聞かせているらしい。
「あーん、とってもいい、あ、だめ、いくー、いくー、川野くん、いっちゃうー。」
ぼくのちん○もいたいほど勃起してしまっている。
彼女の姿を想像しながら電話を聞いてるうちに気持ちよくなってしまって、もう爆発寸前だ。
手ですこしさわってみると、もう我慢できなくなってきた。いや、もっと我慢するんだ。
でも、ああ、くる、出ちゃう、ああ、ああ…。こらえきれず彼女のイく声をききながら射精してしまった。
気持ちよく精子を放出しながら、このとき初めて彼女を少し許す気持ちが出てきた。
もう、いいんじゃないだろうか。いや、でもまだまだうらみは消えない…。

その後も写真も電話も執拗につづいている。内容はますますエスカレートしていく。
僕も毎日気持ちいいのはいいが、最近さすがにすこしやつれてきた。
彼女は、最近は朝早くから、けっこう夜遅くまで僕の周りをうろつくようになって来た。
何をするわけでもないが、すこしでも僕の近くにいないと落ち着かなくて気が狂いそうになるようだ。
何をしても彼女の苦しみが薄らぐことはない、かえって絶望感が強くなってくるのだ。
もうしばらくはこの絶望感を味わい続けてもらおう。

その夜、僕は珍しく酔いたくなって、一人で酒を飲みに行った。
もちろん、彼女もあとをつけてくる。かまわず、飲み屋に入って料理を注文し、酒をがばがばと飲んだ。
後悔なんかしてない、彼女をかわいそうなんて思わない。僕をあんなにバカにした女だ。
当然の報いだ。もっと苦しめばいいんだ。
そう、思い込みたくて、酒を飲む。いくら飲んでも酔えたような気がしなかった。
中途半端な気分で店を出る。ふらふらした足取りで下宿に向かう。佳恵も多分ついてきているのだろうが今はどうでもいい。
尿意を催して電柱に立小便をする。しはじめた瞬間、佳恵がものすごい勢いでこちらにかけよってくるのが見えた。
刺されるのか?しかし、僕は突然のことでうごけない。
かけよってきた彼女はマスクをはずし僕の前にひざまづいて顔で僕の小便をうけはじめた。
僕の小便が彼女の顔を濡らして滴り落ちる。やがて、口を開き、小便をごくごくと飲み始める。悦楽の表情で。
「ああ…、素敵…、おいしい…。」
僕はびっくりしてしまって、どうしていいかわからない、小便が出終わると彼女は僕のちん○を愛しそうにしゃぶり始める。
「ああ、はむ、川野くんの、ぺろ、ちん○。おいしい、はむ、じゅぽ、じゅぽ、れろ…。」
天にも昇る心地とはこういうことか、ああ、気持ちいい、こんな気持ちよさがこの世にあったのか…。
いいよー、佳恵、最高だ。ぼくは思わず声を出す。
「ああ、でる、でる、でるよー。」
それを聞いて佳恵はちん○から口を離して叫ぶ。
「ああ、川野くん、顔に!顔にかけて!!」
僕はちん○を手でつかむと彼女の顔に向ける。2,3回しごくと精子が勢いよく飛び出し彼女の顔を直撃する。
「ああ、川野くんの、ザーメン、川野くんの…。うれしい。」
指で顔にかかったザーメンをぬりたくっている。ときおりそれを口に入れたりする。
その恍惚の表情にこっちがドキドキしてしまった。なんてかわいい女なんだ君は。
じっと見つめる僕と目が会うと、はっとしたように表情をかえ、いそいで走り去ってしまう佳恵。「ご、ごめんなさい…。」
「あ、ちょっと待って…。」
呼ぶ声にこたえず彼女はどんどん行ってしまった。
この震えるような気持ちはなんだろう。今まで彼女をこんな風に感じたことはなかった。
ああ、僕はどうすればいいんだ…。

翌日、いつものように下宿を出る。
いつものように佳恵は隠れている。スキをみて隠れている佳恵にガッとかけよると手首をぎゅっとつかむ。
「ああ、何を。あん、ごめんなさい。ゆるして。昨日みたいなことは2度としないから。
ゆるして、おねがい。ああ、ほんとにごめんなさい。」
泣いて許しを請う佳恵。
「そんなことはどうでもいいんだ。とにかく、来い。」
嫌がる佳恵を無理やり下宿に連れ込む。
「ああ、どうしましょう。ほんとになんでもするから許して。もう、あともつけないわ…。だから…。」
「そんなことはどうでもいいって言ってるだろ。抱いてやる。脱げ。」
「え?」
佳恵は信じられないといった表情をみせた。
「ここで僕とセックスするんだ。早く脱げよ。」
「いいの?私なんかと…。こんなつまらない女なのよ。私。」
あのシステムの強力さを思い知る。彼女をこれほど卑屈な女にしてしまっていたのだ。
「脱がないのなら、無理やり脱がせるぞ。ほら。」
僕が本気でセックスしたがっていることを理解すると佳恵は泣き出した。
「えーん。うれしいー。川野くんと、川野くんと、セックスできるのー…。」
愛おしさがいっきにこみ上げる。可愛くてたまらない。もう、離したくない。
そして、あれほどあこがれたあのボディを僕はついに手に入れることが出来た。
佳恵の体は本当に最高だった。互いに、それこそ体中を愛撫しあい、いたるところにキスをして、思う存分愛し合った。
何をしても感動する佳恵はかわいかった。
「ねえ、これで佳恵は川野くんの彼女なの?彼女になってもいいの?」
「ああ、僕の可愛い彼女だよ。」
「うれしい…。奇跡ね。奇跡っておこるのね。」
それは僕の方がいいたいセリフだった。

それからも楽しく僕たちは付き合っている。
あのシステムはどうなったかって?もちろん使い続けている。
さまざまなマインドコントロールで遊ぶのが楽しい。
彼女は僕のお人形。色んな人格を入れてみる。
あるときは猫と人間のハーフの猫少女。
「ふにゃーん。佳恵ニャンにゃー、さかりがついちゃったのニャー。ご主人様、佳恵ニャンを犯してほしいのニャー。」
あるときはさわやかで健康的でとっても明るいスポーツ少女、でもエッチが何より大好き。
「あーひとっ走りするとやっぱり気持ちいいな。そして運動の後はやっぱりセックスね。
川野くん、ちょっとつきあってよ。きもちいいセックスで汗をながそう!!」
また、あるときはとっても気が弱くてイヤといえないメガネっ娘。
「ああ、そんな、そんな、困りますぅー。そんなむりやり脱がそうなんて。あ、脱がされちゃった。
え?え?あん、だめん、そんなにおっぱいをつよく揉んじゃ。え?なめるの?あはーん、お父さんにおこられちゃうー。
あ、あ、あ、でもちょっと気持ちいいかも…。」

そして人格変換以外にも…。
イヤだけど勝手に体が動いてしまうパターンその1。
「いや、いやーん。なんで自分から股を広げちゃうの?あん、そんなところまで指で広げちゃって…。いやー見ないで、恥ずかしいの~。」
同、パターンその2。
「え?なんで?体が勝手に動いちゃう。なに、だめーん、自分から川野くんのちん○をむかえにいってどうすんのよ、だめ、だめ、挿れちゃだめ…。ああん、体が止まらない。
入る、いや~ん入っちゃうー。ああ、入っちゃった。え、今度はなによ、腰が勝手に上下しちゃう。
ああ、あふ、ううふん、感じちゃうじゃないの、気持ちよくなってきちゃった…。ああん、止まらない…。」
Etc…。
憧れの佳恵を使ってありとあらゆるMCパターンを堪能する。脳髄がしびれきってしまうほど幸せだ。
でもやっぱり一番好きなのは普通の佳恵。
「川野くん、わたしね、ときどきふっと記憶を失うの、でね、気がつくと体がとっても気持ちよくなってるんだけど、病気かな。」
「大丈夫だよ。君はどこから見ても健康だ。それに僕がそばにいるから大丈夫だよ。」
佳恵は子供のように僕の腰にしがみつく。
「そうね、川野くんがそばにいてくれるから大丈夫ね。私って幸せ。
どこにも行っちゃいやよ…。川野くんがいてくれないと、佳恵、生きていけない…。」
これは比喩でもなんでもなく、彼女の精神は100%僕に依存するようにマインドコントロールしているのだ。
僕無しでは生きていけない女、佳恵。僕は征服感に酔いしれ、ものすごい興奮に襲われる。
上目遣いに僕を見る佳恵の顔をみながら、なにもしないのに股間が膨れ上がり、やがてこらえきれず爆発してしまった…。
もう一人ターゲットを追加しようかと思っている。一度この快感を味わったらもうやめられない。金はまだあるんだ。
僕は携帯を手に取ると登録してあるマインドコントロール社の番号を呼び出して通話ボタンを押した。
<終>


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