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ハウスキーパー

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 「あー、やっと終ったあー。」
 ようやく今日の仕事が終わった。明日からは3連休。
 OL早織はいつになく気合が入っている。
 「チャンスよ。そうよ、こんどこそ…今度こそ…。」
 佐伯は一昨日から札幌へ2週間の出張だ。早織はいま自由の身なのだ。
 佐伯の催眠術で心も体も、もてあそばれてしまっている早織。
 自分の意志に反して佐伯に奉仕してしまうことに強い憤りと疑問を感じてはいるのだが、まだ催眠術で操られているということには気づいていない。
 いや、気づかないように仕向けられているというべきか。
 
「明日は…。明日は、とにかく街にでるの。いっぱいおしゃれして、買い物して、おいしいもの食べて、髪形変えて…。もしかしたら素敵な出会いだってあるかもしれない。そうすれば、新しい私に、自由な私になれるわ。きっと。」
 筋が通っているような、いないような短絡的な考えで早織の頭は満たされている。
 彼女の思考そのものが佐伯のコントロール下からは逃れられていないのだ。
 出張前にも、もちろん佐伯はたっぷりと彼女に暗示をあたえている。
 それがどういうものかは今のところ佐伯にしかわからない。
 楽しいはずの休日。これから早織になにがおきるのだろうか。

 翌日、早織は朝早く目覚める。
 「あーあーっと。ああ、いい天気だわあ。幸先がいいってのはこのことね。今日はいっぱい遊んじゃうぞー。」
 休みが取れたのが直前だったので、いっしょにウインドウショッピング出来る友達を誘うことは出来なかった。
 「ま、いいや、一人でもさ。私が気合いれれば、そこらじゅうの男からナンパされまくることまちがいなしなんだから。」
 顔を洗い朝食をすませ、さっそく勝負服を選ぶ。
 「このワンピースとぉ、ベルトとぉ。ブラジャーとパンティは当然これよね。バッグは今日買っちゃおうかな…。」
 1時間に及ぶ熟考のすえ、やっと着ていくものが決まる。
 さっそうと玄関をとびだす早織。
 「フフフフフーン、と。」おもわず鼻歌も飛び出すほど上機嫌だ。
 「フ、フフン…。て、あれ?」
 自分の着ているものに目をおとし、首をかしげる。
 考えに考えて自分ではベストセレクションをしたはずなのだが…実際に着ているのはかなりくたびれたベージュ色の木綿のシャツとよれよれのジーンズだ。
 「これ…でよかったのかなあ。ううん、そうよ、これでいいのよ。自分でこれって決めたんだから。」
 やや、疑問も残らないではないものの、これで間違いないという心の声には勝てなかった。
 「なんたって、動きやすいし、汚れてもいいし…。ってなんで動いたり汚れたりしなきゃなんないの?」
 しかし3秒後にはそんな疑問も忘れてしまい、また上機嫌な早織に戻る。

 電車に乗ってからも今日の予定で頭がいっぱいだ。
 「えーっと、まず新しく出来たファッションビルにいってみなくちゃね。それから、あの交差点あたりで待ち合わせしてる振りでもしてれば誰かが声かけてくれるかも…。」
 傍から見るとその瞳の輝きは、すでに通常のそれとは違い、うっすらとあやしい影がまとわりついているのだが、楽しいことばかりを考える早織自身にはそれに気付く術もない。

 駅に着き、早織は電車を降りる。
「あれ?あれえ?ここ、どこ?」
 ついたと思って降りたはずなのに降りる予定だった駅とは違う。
 「あ、間違えちゃったか。しかたない。次の電車に乗らなきゃ。」
 それにしても何かがおかしい。駅名をみる。都心に向かう電車に乗ったはずだがここは逆方向の郊外の駅だ。
 「おっかしいなあ…。」といいながらもスタスタと改札口にあるいていく自分に気付いてあせる早織。
 「あ、あ、ああ?」心の中は?でいっぱいになるが、外見上は涼しい顔で切符をとりだすとスっと改札を抜ける。
 どうやら、切符もちゃんと買っていたようだ。
 「どうなってんのぉ?」さっぱりわからないまま、足取りに迷いもなく歩き続ける。
 わけのわからない状況にもかかわらず、何故か高揚感のようなものが心の中に湧き上がってきて早足になってしまう。
 「でも、この景色、見覚えある…。」
 たしかに1度か2度来たことがある。前に来たときは夜だったような気がする。
 「そうだ…。佐伯君のマンションがこの近くにあったんじゃ…。」
 以前に何度か会社の帰りに佐伯は早織を自分の部屋に連れ込んでいる。
 そのとき早織は暗示をかけられ、かなりメロメロにされてから連れてこられたので記憶もおぼろげなはずだが少しは覚えていたようだ。
 「たしか、あの角をまがると…。」記憶はおぼろげながら早織の足はしっかりとその方向にむかってツカツカと歩みを進めている。
 「あ、やっぱり。」目の前に佐伯のマンションが見えた。
 佐伯は暗示をかけて早織を自分の部屋へ呼び寄せたようだ。自分は出張しているのに部屋に早織を呼んで何をさせようというのだろうか。

 佐伯の部屋の前に来た早織は何の迷いもなくポケットからキーをとりだすと扉を開ける。
 「わたし…なんで…こんなキー持ってんだろ。」部屋に入ってから呆然とキーを見つめる早織。
 まあ、いつまでも鍵をみていても仕方がない。気を取り直した早織は部屋をみわたす。
 「それにしても…。ひどいわ…。」
 男の一人暮らしだ。半分ゴミ屋敷化している室内をみて早織はあきれ返る。
 「やっぱり、男の人ってダメねぇ。」早織の心に火がついた。
 普段からきれい好きの早織はこの部屋の状況に我慢ならなくなったのだ。
 怒涛の勢いで部屋を片付け始める早織。
 「缶ビールの缶は水ですすいでこの袋に入れる…と、本は読んだら置きっぱなしじゃなくて本棚に入れろっちゅーの。男の癖に小物が多いわねえ。棚がもうひとつほしいわ。買ってこようかしら…。」
 もてる限りの収納ノウハウをつぎこんで息もつかず片付け続ける早織。まるで何かに取り付かれたように。
 部屋を一気に片付けると今度は掃除だ。掃除機と雑巾で部屋の隅々までホコリ一つ残さない。
 「はあー、きれいになった。すっきりしたわあ。」手ぬぐいで額の汗をぬぐう。なんともいえない達成感、充実感。
 「次は台所ね。」
 山盛りの汚れた食器やなべを一気に洗うとテキパキと戸棚にかたづけてしまう。
 生ゴミをひとまとめにする。流しをぴかぴかにして新しい三角コーナー用ゴミ袋をセットする。
 冷蔵庫の中もいらないものはすべて処分。冷凍品でも惜しげもなくどんどん捨てる。
 「これで電気代も無駄にならなくてすむでしょ。」
早織の手際のよさとセンスは『かしこい主婦』顔負けだ。
 早織はきれいに片付いた台所を見て改めて気分が高揚してくる。
他人の家の台所なのだが、まるで自分の城が完成したかのような感覚に瞳が輝いている。
なぜだか、たのしくてたのしくて仕方がない。
「それにしても、もうこんな時間か。ちょっと買い物に行ってこようかな。」

近所のスーパーで収納用品やら、台所用の小物やら、食料品を買い込んで戻ってくるとふたたび、さっきは整理し切れなかったものを片付け始める。
「これはこのコンテナに入れて、ラベルを書いて、日付をかいて…、と。それにしても片付けきれないわあ。洗濯物もいっぱいあるし。もう日が暮れちゃったし。明日中にはめどをつけたいなあ…。さて、晩御飯の用意でもするか。」
早織は無意識のうちにこの家に泊まりこむものと決めてしまって疑問にも思わない。
完全にはまり込んでしまった早織。何のために誰のためにこんなことをしているんだろうなどということは思いつきもしない。
軽く夕食をつくってすませると、一息入れる。
「それにしても一人暮らしの癖にけっこう広いところに住んでるんだなあ。ウラヤマシイ。」
いまさらながら家の広さに気付いて早織はあきれる。
 「アイツにこの広さはムダだよなあ。あれ、こっちにも部屋があったのか。」扉を開ける。
ベッドがおいてある。寝室のようだ。
 「ここはそれほど散らかってはいないようね…。あら?」
ベッドのサイドテーブルに早織の写真がかざってある。
いつの間に手に入れたのか、さわやかに微笑みかける早織の写真。
「なに、これ…。」
一応、表面上は恋人同士である二人。写真が飾ってあっても何の不思議もないのだが早織は何か変な気分。
「なんで、私の…写真なんか…。」佐伯に写真なんかかざってもらってもうれしくもなんともないはずなのだが、なんだか照れくさいような複雑な思いに駆られる。
「…バカ。」
 すこし顔を赤くして寝室をでる。

 「あーあ、それにしても一日中働いて疲れちゃった。もうシャワーあびて寝ちゃおうかな。」
 汗をかいて少し気持ち悪くなった衣類を脱ぎ捨てるとバスルームへと入る。
 熱いお湯で体を洗い流すととっても気持ちがいい。
 こんな心地よく疲れたのは久しぶりだ。シャワーに体をうたせているとぽーっとしてきてしまう。
 ほわっとしてとってもリラックスした素敵な気分になってバスルームを出る。
 バスタオルで体を拭く。なぜかそこにおいてあるパンティとピンクのパジャマを当然のごとく身に着ける。
 「わたし…。知らない間にパジャマなんか着ちゃった。なんで佐伯君こんなもの持ってんだろ。それにしてもピンクのパジャマって、子供じゃあるまいし…。」
しかし洗面所の鏡に映る自分を見て、「あ、うん…。ま、かわいくないことも…ない、か…。」
 ちょっと気に入ってしまったようだ。
 
 寝室で佐伯のベッドに横になる。大きいベッドなのでゆったりと気分がいい。
 「いつもあいつがここで寝てるのかあ…。ま、どうでもいいけど。」
 一日の重労働でつかれてしまった。今は何も考えずボーっとしていたい。
 「あーああー。」大きくのびをして目を閉じてみる。ほかほかとあったかくてとてもいい気分だ。
 体中にじんわりとなんともいえない気持ちよさがひろがっていく。
 かんがえるともなく手がうごいてしまっていた。
「くちゅ…クチュ…。」
 何の音だろう。なんか変な…変な気分。あ、あ、あれ?
 目を開ける。右手がパジャマの中にはいりこみ股間をいじり回している。
 「やだあ、わたし…。こんなところで、オナニーなんて…。あはぅ…。」
 男のベッドの上で一人で淫らなことを始めてしまう自分にとても恥ずかしさを感じる、感じるけれど。
「はああ、気持ち…いいの…。でも、だめぇ…。」
 やめようとしても止めることが出来ない。左手は胸をもみしだきはじめた。
「か、っくううう…。おっぱいが、ちくびが、すごいのぉぉ…。」
 すごく気持ちいい。すごく気持ちいい…。
 「はぁ、はあ、はぁ、はあ、も、もっと、もっと…。」
 もっと、もっと激しく、思いっきりクチュクチュしたい。パジャマもパンティもうざったくなって脱いでしまう。
 ベッドの上で全裸で横になり大きくM字に開脚して激しく股間をいじる。
 快感で体は激しくくねる。
 佐伯の家のベッドの上でこんなことしちゃダメ、ダメ…という意識も頭の片隅にあるが、圧倒的な快感の前にブレーキはきかない。
 いや、むしろそのやっちゃいけないという意識が余計に快感を増してしまっている。
 「は、ああう、も、もう、いくぅぅぅ…。」 
 今までオナニーで感じたことのないエクスタシーで体が大きく震える。
 「は、あああ、ま、またあぁぁぁ…。」
 小さな高まりが何度も訪れる。そのたびに股間から勢いよく潮がふきだす。
 「フシュッ!ああ、うううん。あ、あう、ま、まだぁ。」
 その高まりが終わっても、気持ちよさが収まることはない。
 さらにその上の次元の快感へとどんどんランクアップしていく。
 「はあ、あ、なんで、こんなに気持ちいいのぉぉぉ。あ、あうう、プシュシュウ!!」
 毎日のように佐伯に抱かれていた快感が体に染み付いてしまっていたのか、2日も佐伯とセックスしていないからこんなに体が燃え上がってしまっているのだろうか。
 気持ちよさに、考えることもできなくなる。ただただ自分の指のもたらす至福の感覚にのめりこんでいく。
 もう、何度イってしまっただろうか、意識も朦朧としてきたが自分の手はとまらない。
 「プシュ、あう、また、いくイクイクイクイクイクイクゥゥゥゥ…。」 
やがて、ふと早織の動きが止まる。
感じまくってもう何も考えられないはずの早織の右手がなぜか股間を離れ動き出す。
手は頭のほうへ、頭のほうへ、そして枕もとの携帯を引き寄せた。
 指が勝手にピッピとボタンを押す。
呼び出し音が聞こえてくる。間をおかず相手が出る。
 『はい、もしもし、佐伯です…。』
 「あくううう…。」
 佐伯の声を聞いたとたんに稲妻のようにまた快感が早織をおそう。
 
 「あ、あうう、わ、わたしぃいい…。」
 『早織ちゃん?ああ、早織ちゃんに2日あえないだけでさみしくてさあ。電話くれてうれしいよ。』
 そして早織の頭の片隅にぽっと思い出したように浮かぶ大事なこと。
言わなければならないことがある、早く言わなくちゃ。
 「ふ、くふう、わたしね、いまね、佐伯君のベッドの上でね、オナニーしてるのぉ、きもちいいのおお…、あ、あああう。」
 『あ、そう。うれしいな。あ、あのさ、僕も早織ちゃんの声聞きながらオナニーしてもいいかな。』
 佐伯の魅惑的な提案に心が震えるほど喜びを感じる早織。
 「あふうん、して、してえ、早織の声ききながらシコシコしてえええ!!」
 『そうかい…。ほら、いまズボンをぬいでぼくのちん○がでてきたよ。』
 「あふん、くうん、いい、気持ちいいい。くちゅくちゅ」佐伯の声が脳にビンビンとひびいてそれが快感となって全身に広がる。
 『じゃ、しごくよ。シコシコシコシコ。』
 「すてき、すてき、すてきいいいい、感じるかんじるかんじる、早織もね、おまん○ずーっとくちゅくちゅしてるの…。はああ、い、いきそぅ…。」
 佐伯がしごいているところを想像するとたまらなくなってしまう、それだけでいきそうになる。
 『早織ちゃんの声もすごくそそるよう。シコシコ。あ、いい、で、でそうになっちゃう。』
 「まだ、だしちゃだめ、だしちゃだめええ。くちゅくちゅ、あはーん。」
 『う、じゃ、じゃあねえ、早織ちゃんの乳首なめなめしてあげるよ、ほら、ぺろ、ぺろぴちゅ…。』
 「は、ああ、くぅううううう、いいのお、ちくび、ちくび、佐伯君がなめてるう、きもちいいい!!」
 『ぺろ、ぺろ、ぺろ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…。』
 「ああああ、ああああ…。」
 『早織ちゃんもぼくのちん○シコシコして。』
 「う、うん、いくよ、いま、佐伯君の握ったよ。ほら、動かしてるよ、シコシコシコ…。」
 『ううう、いいよ、早織ちゃああん…。』
 テレフォンセックスでどんどん盛り上がる二人。
 そしてついにその絶頂へ。
 『う、う、早織ちゃん、でる、だすよ、う、うう、あああ、早織ちゃーん、好きだああ、あいしてるうう!!どぴゅ、どぴゅ、ぴゅぴゅぴゅ…。』
 「あはあ、ああ、いい、すてきいい、佐伯くーん、いく、いくうう、あああああああ!!!!!。」
 テレフォンセックスとは思えないほどの絶頂感で二人同時に果てる。
 佐伯の愛の告白に早織は頭の芯がしびれるほどの幸福感で満たされてしまっている。
 「はあ、うれしい、きもちいい…。」焚き火の残り火のように体のあちこちでまだ快感がくすぶりつづけている。
 時折、びくびくと体が震える。
 『早織ちゃん、よかったよ。僕、いっぱい出たよ。気持ちよかったあ。』
 「うん、わたしも…。よかった。うふふ。ありがとう。」とっても素敵な笑顔で早織が答える。
 『これで、つまらない出張も楽しくなるなあ、じゃ、明日もよろしくね。おやすみ。』
 「おやすみ…。」
 電話を切ると一気に疲れが来て早織はぐっすりと眠り込んだ。

 翌朝、なんだか幸せな気分で目をさました早織。
 昨日、なんだかとっても素敵なことがあったような気がするのだが、ぼーっとして思い出せない。
 きっと何かいい夢でも見たんだろうと思いながらベッドから身を起こす。
 「あれ、なんで裸でねてたんだろ…。ま、いっか。さーて、今日もがんばらなくちゃ。」
 ベッド脇においてある白いTシャツとショートパンツを身に着ける。
パンティ、ブラジャーは、なんだかめんどくさいのでつけない。
 今日は片付け物の残りとベランダの整理、窓ふきなどやることが山ほどある。
 新妻のようにいそいそと働く早織。昨日以上に働くことがたのしくてたまらない。
 結局3連休を掃除と洗濯とそしてテレフォンセックスで明け暮れてしまった。
 それでも早織としては自己嫌悪に陥ることもなく、毎日が楽しく不思議な幸福感でみたされて充実感のある3日間ではあった。
 知らない間に佐伯との愛を深めてしまった早織。
 ますます早織にのめりこむ佐伯。
 はたして佐伯が出張から帰ってからこのカップルの愛の行方はどうなるのだろうか。
<終>


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