20歳になったその日、俺は親父に呼び出された。
部屋に入ると親父は、まあそこに座れという。
親父とこんな風にあらたまって話したことはいまだかつてない。
高校を出てから俺は職にもつかずぶらぶらしてきた。働かなくても生活に困ることはない。
家にいれば勝手に食事もでてくるし、ねだればいくらでも小遣いはもらえる。
俺の住んでいる家は高級住宅街で500坪はあろうかという大邸宅だ。
親が金持ちだから…。まあ、そうなのだが何故金持ちなのかを俺は説明できない。
俺は親父が何の仕事をしているのか知らないのだ。
知らないどころか親父が仕事らしきことをしているところをみたことすら一度だってない。
いつも家にいて俺の母親や何のためにいるのだかわからない多くの女たちを相手にただ、いちゃいちゃしたり遊んだりしているだけだ。
人に任せて会社をやらせているのだろうか。
それにしても部下らしき人物が出入りするのを見たことがないし、親父が電話する姿もほとんど見たことがない。
ただ、時おり現金が必要になると銀行から頭取が金を持ってくるぐらいだ。それも年に数回程度。
品物を買うときは業者が持ってきて金をうけとらずに帰るので日常は現金をつかうことはあまりない。
家には金庫すらないぐらいだ。
銀行に莫大な資産が眠っていてそこから引き落とされているのだろうか。
俺にはよくわからなかったし誰も説明はしてくれなかった。
金や物に不自由はなかったので俺にとってはどうでもよかったし、親父に問いただすということなど考えもしなかった。
俺の母親は子供の俺から見ても、今でもとても素敵で美しい人だ。
どこからみてももうひとつサエない親父によくこんな美人が嫁いだものだと思う。
家に20人以上は居ると思われる美女軍団にしてもよくわからないところがある。
いちおう家事らしきこともするようだが、お手伝いさんではない。
子供の頃はどの家でもこういう人がいるものだと思っていたが、どうやらそうではないらしいことを知る。
俺の家にいるのは、ひとりのこらずモデルや女優といっても通用するぐらいの若い美女ばかりなのだ。
そんなスタイルのいい美人がほとんど下着姿同然で家の中をうろうろしている。
女性を意識しだした頃の俺にとってはものすごく目の毒だった。毎日ムラムラしてたまったもんではない。
友人はうらやましいといったが俺にとってはむしろ苦痛ですらあった。
といいながらも、実は俺が筆おろししたのもその中の一人だ。
思春期に突入したころ、肌を大胆にさらしながら歩いている美女たちを毎日目の当たりにしていた俺はたまらなく
なって一人でコいているところを一人の女に見つかった。
「あらあ、一人でエッチなんかしちゃって…。言ってくれればいつだって相手してあげるのに。いらっしゃい。
おねえさんがちゃんと教えてあげる…。」
そのころ一番人気のあったトップ女優そっくりのその女に俺は童貞を奪われることになる。
「ねえ、あんたら、いったい親父の何なんだ…。」
ちん○をしゃぶられながら俺は普段、疑問に思っていたことをその女にぶつけた。
「うふ、キミト君はそんなこと気にしなくてもいいの。ほうら、気持ちいいでしょ。ほぐ、じゅる…。」
「あ、う、ううう…。」そして答えをあいまいにされたまま俺は彼女に犯された。
どうやら、女はそのことを親父に報告したらしく、ほどなく親父から俺のセックス相手として何人かの女があてがわれた。
というわけで、判然としないまま、金にも物にも、女にも不自由しない青春を俺はおくってきたわけだ。
親父が話し始める。
「話というのは他でもない。お前も20歳になったんでな。先祖代々伝わるしきたりで明日からひとり立ちしてもらうことになる。そういう話だ。」
寝耳に水というか、藪から棒というか、いきなりそんなことをいわれてもこまる。
「何ぃ、俺は追い出されるのかよ。親父ぃ、そんなこといっても、仕事するなんてヤだぜ、俺。」
「まあ、話は最後まで聞け。そうだなあ、何から話すか…。お前はこの家のこと、代々うけつがれている秘密のことはもちろん知るまい。」
「秘密?なんのことだ。どっかに財宝でも隠し持ってるのか?」
「いや、そうではない。我が家は代々かならず子供は一人、それも男子しか生まれない。知っていたか?」
「うんにゃ?そういや、俺も一人っ子だな。親父もか…。」
「そう、私の父も祖父もその前もずっとだ。」
「はあ、わかった。男女産み分けの秘儀がその秘密ってやつか。」
「いまどき、そんなもの秘密にして何の得がある。その、ただ一人生まれた男子には必ずある能力が受け継がれている。
いや、その能力を確実につたえるために跡継ぎは一人しか生まれないようになっているといったほうが正しいか。」
「ほう、俺にもそんな特殊な能力があるってか。俺は勉強も運動も人並みだったし特に何か得意なものなんてないけどなあ。」
「それは成人するまで決して本人には明かしてはならないという厳しい戒めがあるから今日まで黙っていたのだ。若いうちにその能力を
知ってしまうと色々と不都合なこともあるんでな。」
「ふん、今日はそれを教えてもらえるというわけか。」
あるいは親父が働かずにこれだけ豪勢な暮らしをしているわけと何か関係があるのだろうか。
「で、その能力ってのは?」
「人の心を自由に操ることが出来る。たとえどんな人間であろうとも白を黒とおもわせ、好きなものを嫌いとおもいこませる。
ま、一種の超能力と言えばお前にはわかりやすいか。」
俺は親父が冗談を言っているのだと思った。そんなバカなことが現実にあるわけがない。
「ふん、信じないようだな。お前は私がどうしてあんな美しい人と結婚できたのか、こんな広い家に住んで女たちに、かしずかれて
いるのか不思議に思ったことはないか?」
「それは…。」俺は親父の目をみた。
「だろう?すべて私がこの能力をつかったからこそ出来たことだ。そして今日がお前にもその力を伝授する日なのだ。」
「う、でも…。」
「まだ信じられないか。そうだな。お前にもわかるようにしてやろうか。」
親父は携帯電話をとりだすとどこかへかけた。
「あ、もしもし、わたしだ。奥奈だ。すまんが“みいな”をわたしの家までよこしてくれないか。君がつれてきてくれてもいい。
場所はわかるな。うん、うん。今、今すぐだ。」
そう言って親父は電話を切った。
“みいな”っていったい誰だろう。俺が思いつく“みいな”といえばモデル出身の人気タレントでセクシーアイドルの
『坂野みいな』くらいのものだ。
「ふん、ものの20分ぐらいで来おるだろう。お前も知ってるだろ?『坂野みいな』。最近ではコマーシャルにもよくでているようだし。」
「げ、…。」俺は絶句した。冗談にもほどがある。今まで親父が芸能界にコネがあるなんて話は一度も聞いたことがない。
「親父、う、うそだろう…。なんで。」
「ふふふ…。まあ、待とうじゃないか。」親父は怪しい笑みをうかべたまま何もしゃべらなくなった。
『坂野みいな』がここに来るのか?本当に本物の?
俺はかつがれてんじゃないのか。俺の頭の中は疑問だらけだが親父はあいかわらず不適な笑みをうかべながら座っている。
俺はなすすべもなく親父を、ひたすらにらみつけるしかなかったのだがついに耐え切れず口を開いた。
「親父…。」
俺がことばをつづけようとすると誰かがドアをノックした。
「失礼します。坂野みいな様がお見えですが。」家にいる女のうちの一人が客をとりついだ。
「うん、“みいな”にはこっちの部屋にくるように言え。マネージャーは客間に通して茶でも飲ませておけ。」
「はい。」
女はそういうとドアを閉めた。
「思ったより早かったな。この近くで仕事でもしていたのか。」
「親父…。“みいな”とどういう関係なんだよ…。」
「なんにも。」
「なんにもって、なんにもないのに電話一本でかけつけたりするかよ。どういうことだよ。」
「だから、これが人を操る能力ってやつだ。ま、坂野みいなはいずれナニするつもりで所属プロダクションの社長の携帯番号を調べて
あったんだがな。いずれにせよ、今日が初対面というわけさ。」
やがて坂野みいなが案内されて部屋に入ってきた。本物だ。テレビで見慣れた顔がそこにある。
「失礼します…。はじめまして、坂野と申します。あのぉ、すいません、社長からこちらへ来るようにとのことだったんですけど、何をする
のか何もきいてなくて…。」
「ああ、どうも。奥奈といいます。こっちは息子のキミト。まあ、とりあえずそこにすわってくつろいで。」
“みいな”はミニスカートの白いスーツ姿だ。清楚なイメージだが長身で脚の長い綺麗なスタイルがなんともいえずエロチックだ。
“みいな”は緊張した面持ちでソファーに腰掛ける。
「まあ、リラックスして、自分の家にいるときと同じようにくつろいでもらってかまわないから。」
そういいながら親父は“みいな”の方に向かってさっと手をかざした。俺には一瞬目が光ったように見えたのだが…。
「は、はい、じゃあ…。」次の瞬間、俺は自分の目を疑った。
“みいな”がソファーの上に両足をあげ腰をうかせてパンティーをスルスルと脱ぎ始めたのだ。
あっというまにパンティーを脱ぎ捨てると“みいな”はそのままM字に大きく開脚して白いミニスカートの中から性器を俺たちに見せ付ける格好となる。
顔の表情はさっきと何も変わっていない。
やがて片方の手が胸へ、もう片方の手が股間へと伸びる。
「うく、ふう、はあ、んん…。」なんと目の前でオナニーがはじまってしまった。
俺の股間が膨れ上がる。天下のセクシーアイドルが目の前でこんな痴態をさらしている。
いったいどういうことだ。俺は驚きの表情で親父の顔をみる。
「いやなに、自宅にいるようにくつろいでもらっているだけのことだ。」親父はニヤリとわらう。
「はうん、ふうう、あん、あの…、で、私、何をすれば…、ああん、くううん…。」
“みいな”がオナニーしながらまだ自分が何しに来たかを気にしている。自分がオナニーしていることに気づいていないのだろうか。
「ああ、今日はその、オーディションみたいなものだと思ってもらえばいい。コレに合格すれば君のランクもさらにアップするから
頑張ってくれたまえ。」
「はあ、あうん、あ、イきそう…。あの、オーディションの内容は、あ、くうん、何をすれば…。」
「そのまま思い切り気持ちよくイってくれるだけでいい。君の表情とイきかたが審査の対象となる。気合を入れて思う存分イってくれ。」
「はい、あう、あうう、はうううう…。」
“みいな”は大股をあけてクリ○リスをこすりあげながら、目を閉じてその小さくて綺麗な顔を左右に降り始める。
「あん、だめぇ、みいな、もう…、もう…、イっちゃう、いっちゃうー!!」
体をガクガクふるわせながら、“みいな”が壮絶にイった。すげえ、目に焼きついてしまった。あと半年はオカズにはこまらないだろう。
ソファーに倒れこんだ“みいな”を親父はじっと見ている。
「どうだ、これで信じる気になったか。」
この坂野みいなは本物だ。俺をだますために何か細工があるとも思えない。そもそも、そんな大掛かりなことをして
俺をだましても何の得にもならない。
「あ、ああ、信じがたいけど、信じるしかない。なんてことだ…。」
ソファーの“みいな”は、はあはあと肩で息をしている。よほど気持ちよくイったのかまだ正気にはもどらないようだ。
「で、この“みいな”はどうするんだ。」
「ふん、もう少し面白いものを見せてやろう。」そういうと親父は、“みいな”を揺り起こす。
「おい、大丈夫か。しっかりしろ。」
「ハア、ハア、あ、あう。はい、あ、ああ…。すいません。スゴく気持ちよかったので…。審査は、審査の方はどうだったでしょう?」
「合格だ。今日からお前はこの家に住んで私に奉仕するようにな。」
「え?どういうこと、ですか?」
「芸能界を引退して、これからずっとお前は私に仕えることになる。よかったな。」
「なにを、言ってるの?…。そんなこと事務所も許してくれるわけないし、その…。」
「社長の方や仕事関係はなんとでもなる。世間には1年ほどの充電期間とかなんとか言っておけばいい。
そのうちお前のことなんか忘れ去ってくれる。」
「そんな。私の、私の気持ちは…。」
「そうだな。それが一番大事だな。ちょっと私の目を見てごらん…。」
親父はみいなを立ち上がらせるとその正面に立った。
親父がじっと、“みいな”の目をみつめると蛇ににらまれた蛙のように、“みいな”の体がすくんで動けなくなったようだ。
親父はそのまま目をそらさずに俺に話しかける。
「この女の頭の中を、これから作り変える。これはちょっと熟練がいるんでな。おまえにはすぐには無理かもしれないが、まあ
見ておけ。いつか参考になる。」
親父の目から妖しげな光が放たれる。レーザー光線のように“みいな”の瞳を直撃する。“みいな”の体がピクリとうごいた。
その瞳から光を照射したままで親父は話し続ける。
「この女の記憶、嗜好、感性まで脳の中を直接書き換えてやるわけだな。さっきのように操り続けることもできるが、脳を書き
換えれば後々、面倒もないし、何かの拍子に元の人格にもどってしまう心配もない。そう時間もかからんしな、まあ、まるっきり
別の人間に仕上げるわけじゃないから。」
親父が目を細めると光線も細くなる。“みいな”の体は時折、かすかに震える程度でじっとしている。
親父が何を言っているのか俺にはよく理解できない。俺にもこういうことができるようになるということか。
「ま、こんなもんでいいだろう。」目から出た光が消えた。呆けたようにたちすくんでいる“みいな”に親父が話しかける。
「よし、今日からこの家で暮らすことを許す。頑張って奉仕してくれ。」
驚いたことに“みいな”の両目から涙が流れ始めた。
「あ、ありがとうございます。こんな、すばらしい…こんな素敵なことって、信じられない。うれしい…。」
“みいな”は完全に作り変えられていた。はからずも俺はこの家の女たちがどうして親父に仕える様になったか、その
過程を見ることが出来たわけだ。
「さっそく奉仕させていただいてよろしいでしょうか。」頬をほんのりと染め、うっとりとした目で“みいな”が親父を見ている。
「ああ、頼む。やりかたはお前にまかせる。」
坂野みいなは白いスーツを脱ぎ始める。やがて多くの男性を魅了したそのハイパーエロチックなボディが全容をあらわす。
モデル出身らしく姿勢よくスックと立ったその裸身。細身の体型だが恐ろしく長い脚とハリのある、形のよい大きなバストが
グラマラスな印象を与える。
両胸に手を当ててくねくねとあるきながら親父に近づくとやおらズボンをずりおろす。
「まず、わたしのおっぱいを味わってくださいませ。」親父のちん○をとりだすとその巨乳でじっとりと揉み上げはじめる。
「おお、いいぞ、“みいな”。私に顔を見せてくれ。ああ、柔らかくて気持ちいい。いままでこれほどパイずりの気持ちいい女は
いなかったな。うれしいぞ。」
「ああ、褒めていただいた…。“みいな”うれしい。」“みいな”がまた涙ぐむ。同時に感じ始めてもいるようで息が荒くなっている。
「はあ、はあ、はあ、どうぞ乳首もおつまみください。そう、あ、あひいん!!」
「おお、おお、いい…。ああ、かまわんからこのままワタシをイかせろ。うう、たまらん。」
「ステキぃ、私、今ご主人様に奉仕してるんだわ。ああん、夢みたい。ふうん、なんて幸せなんだろう…。もんにゅ、もんにゅ…。」
“みいな”はさらに激しく、容赦なく親父のちん○を胸の谷間で攻めアげる。やがて親父も耐え切れず“みいな”の胸で精をもらす。
「あう、うっく、う、う、う、でた…。“みいな”舐めてくれ、ワタシの精を舐めてくれ。」
「はい。」“みいな”はうれしそうに親父の精子を胸から指ですくってぺろぺろと舐める。
「ああ…。おいしい…。」
恍惚として精子を味わう“みいな”を唖然と見ている俺に向かって親父はニヤリと笑い、
「うらやましいか。だが“みいな”はお前にはやらんぞ。ずっと私が狙ってたんだからな。どうしても女とヤりたいんなら今日からは
自分の力でなんとかしろ。」
「なんとかしろったって今の俺には何をどうしていいんだかぜんぜんわかんねえんだよ。教えてくれよ親父。」
「ま、今日はそのためにお前を呼んだわけだからな。こっちへこい。」
夢中になって親父の精子をしゃぶっている“みいな”を横目に俺は親父に近づく。
「なに、教えるというほどのもんじゃない。もともとお前が持っている能力だ。私がその力を封印しているロックを解除してやるだけ
ですぐに使えるようになる。」
親父は両手で俺の頭をつかむようにすると何やら念をこめはじめる。
「うーん…はあ!!」
頭の中でパーンと何かがはじけた様な感触があった。そして瞬間で俺は悟った。
「ああ、そういうことか。」
感動はなかった。どうということはない。俺はそれが出来る。ただそれだけだった。
「これからのお前の目標はお前の子供を生むことが出来る女を探し出すことにある。」
親父の言葉によるとこの能力をうけつぐ子供は誰にでも生めるというわけではないらしい。
100万人に一人、いや1000万人に一人にいるかいないかというその女を俺は自力で捜しださなくてはならないそうだ。
「その女をどうやって見分けるんだよ。」
「見ただけでは、わからん。セックスすれば自然にそれとわかる。直感的にな。」
その女に子供を産ませることが今の俺に課せられた使命というわけだ。
「1年かかるか100年かかるかそれはわからん。その間、能力を磨いておくことだ。力をつかって女を抱こうが金儲けしようがそれは
お前の勝手だ。だがあまり派手にやりすぎないようにしろ。人を操ることが出来るといっても一度に何万人もの人間を操ることは無理だ。
欲張りすぎるのは身の破滅につながるからな。」
「結局、それらしき女をつかまえてはひたすらセックスをしまくるしかないということか…。まあ、仕方ないな。それにしても俺の家系は
何でこんな能力を持ってんだよ。」
「さあな。実は、はっきりとはわからんのだ。ただ、ワタシの親から聞いた話だと、私たちの先祖はどうも地球の人間ではないらしい。
たしかな証拠があるわけではないんだが…。」
俺はさほど驚かなかった。無意識のうちに周りにいた人間たちと自分は違うのだということを悟っていたのかもしれない。
おもしろいじゃないか。ただ、ぶらぶらしているよりよっぽどいい。幻の女をさがしもとめて生きていくなんて俺の性に合っている。
セックスもやりたい放題だしな。
親父は用事が済んだら、さっさと俺を部屋からおいだして“みいな”とよろしくやっている。
その日のうちに俺は家を出た。